職人になるための学校
フィレンツェ Scuola del Cuoio

工房を探して街をふらふら歩いている途中で、鞄づくりの学校を見つけました。エントランスの内側のモニターに、学校案内の映像が流れていました。中へ入るとまず教会があり、奥へ行くと素敵な中庭と、校舎がありました。
Scuola del Cuoio
イタリアでは、どこへ行っても当たり前のように、
古い建物、石畳、豊かな植物がありますね。
生憎この日は日曜日で、学校はお休みのようでしたが、併設しているお店と、鞄づくりの様子が見学出来るようになっているスペースは開いていました。この机上で行われている作業は、わたしの仕事と似たような内容の筈ですが、雰囲気が全然違いますね、荘厳に感じてしまいます。
Scuola del Cuoio
いま、わたしの工房では、細かい作業をするのに光量が足りなくて照明を明るく変えようと思っているのですが、いまこの写真を見て、手元さえ明るければ、必ずしも室内全体を明るくする必要はないのだなと思いました。この空間から感じる「荘厳さ」は、照明の効果もあるのかもしれません。でも、そもそも建物が古くて荘厳だから、薄暗いのが似合うのかもしれなくて、日本の、歴史のない建物の室内が薄暗かったら、ただ陰気臭くなることもあり得ます。なかなかイメージができません。
Scuola del Cuoio
ここでは型紙を下の写真のように収納していました。帰ってきてから、一度このやり方を真似てみたのですが、中の一枚を取り出したいときに不便で、どうもしっくりこないので、また変えようと思っています。
Scuola del Cuoio
つくりかけのハンドルがたくさん置いてあったので、根革の裏側を見てみると、こんな風になっていました。手紐のところから金具が出ているのですが、このようなつくりはわたしは今まで見たことがなく、何のためのものなのかわかりませんでした…。手紐が伸びないように中で突っ張らせているようにも見えません。気になります。
Scuola del Cuoio
Scuola del Cuoio
帰り際、明かりの消えた教室を窓からのぞきこみ、無理矢理写真を撮ってきました。わたしは杉野服飾大学という学校で、ときたま学生さんに教えさせてもらっていますが、その教室を思い出しながらのぞいていました。自分は、専門の学校には通わず、仕事をしながらやり方を覚えていって職人になりましたが、こうやって同級生と肩を並べて鞄づくりの勉強をするのもなんだか良いですね。
Scuola del Cuoio
駅から見て、サンタクローチェ広場の奥の方にあります。確か学校の向かいには、中国人と日本人の店員さんがたくさんいる、レザーバッグのお店がありました。 Scuola del Cuoioのウェブサイトはこちら。