フィレンツェの街にあふれる大量の革製品

フィレンツェで、わたしはスウェードのデザートブーツを購入し、娘はお土産に革手袋を買っていました。フィレンツェは革製品のお店がとにかく多いです。その中には、店先まで革製品で埋め尽くされた、上野のアメ横を思い出すような体裁のお店が半分以上あります。商品のボリュームとディスプレイの仕方はほとんど同じです。こういったお店にどれくらいのお客さんが来るのかわかりませんが、とにかくその量に圧倒されます。立派な革のコートやバッグが、こう大量に陳列されていると、売れ残り商品のセールのように見えてきます。そんなことはないのでしょうが…。ひとつひとつの店のボリュームもすごいですが、そんなアメ横的な店が、200軒以上はあるのではないかと思います。
大量の革製品
この写真に写っているような店と屋台が、200軒以上、いや、もっとありそうです。
驚くべきことに、フィレンツェの街を歩く人々の中に、革のコートを着ている人は、ひとりも見当たりませんでした。黒い毛皮のコートを着ている年配の女性をひとり見かけたきりでした。たまたま自分が見かけなかっただけかもしれませんが、見た限りでは、ダウンジャケットかウールのコートがほとんどでした。
この状況に反して、店先に並ぶ大量の革のコートを見ると、本当に不思議な気持ちになります。これらの大量のコートすべてが、誰かに腕を通される日は来るのでしょうか。フィレンツェの人は着なくても、観光客が買っていって、商品は捌けていくのでしょうか。単にいま、革のコートが流行っていないだけで、またしばらくすると売れるようになるのでしょうか。
フィレンツェの夜景
フィレンツェに限らず、大量につくられた商品が余っている状況というのは日本でも目にします。わたしは、自分のつくった鞄を売りたいけれど、売れるかわからない在庫を抱えるのが怖いです。置き場所も無いし、もし売れないまま残ってしまったら、その商品を目にすると悲しくなると思います。
フィレンツェは美しい街でしたが、この大量の革製品陳列は、見ていて疲れてしまいました。