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日本鹿の革と角のバッグ
「紗綾鹿(さやか)」

黒の鹿革バッグ・和装バッグ

日本鹿の革について

日本鹿の革は、古来から日用品や工芸品の素材として使われていました。
剣道・弓道用品、印伝などは有名ですね。古くは、鎧・兜・刀の部品や、火事装束・半天、革足袋に使われるなど、「火に強い」という特性もあります。
しかし、現在では、日本鹿の革はほとんど製革されていません。鹿革にまつわる産業が衰退しているのです。日本の鹿革製品の殆どが海外からの輸入された鹿の原皮でつくられています。
僅かに製革されている日本鹿の革は、野生の鹿を狩猟して鞣したものなので、傷が多かったり、厚みにムラがあったりして、バッグにするのは難しいとされています。
でも、この軽さと、ふんわりとした柔らかさ、しなやかに肌に馴染む感触には、何ともいえない魅力があります。
どうにか工夫して、鹿革の良さを生かしたバッグをつくってみたいと考え、できたのが「紗綾鹿」です。

竹と革のバッグ

鹿革の魅力がたっぷり

鹿革の柔らかい手触りを全面に出すため、見えるところには金具を使っていません。
スウェード(革の裏側)面を表にして、さらに紗綾形のキルティングを施すことで、傷が目立たないように工夫しています。
キルティングのふんわり感と、鹿革の手触りの良さがしっくりと調和しています。
何より、オールレザーにもかかわらず、こんなに軽量なのは鹿革ならでは。

竹と革のバッグ

金具を使わない、ちょっと変わった口の閉め方

バッグの口の閉め方もすこし変わっています。
正面の口前にくくり付けた竹の下にハンドルをくぐらせ、そのままハンドルを持ち上げるとおのずと口が閉まるのです。
金具を使わないでバッグの口を閉めるにはどうしたらいいか、すこし考えて竹が思い浮かんだのでした。使ってみると意外に開け閉めは楽ですし、しっかりと閉まって安心です。
竹とモスグリーンの真田紐が、見た目のアクセントにもなっています。

竹と革のバッグ

革だけでなく、角まで

なんと、底鋲には日本鹿の角を使っています。
鹿革は、耐久性はあるのですが、表面の銀面は傷つきやすいので、底鋲があると安心です。
ちらっと見える角の表情が面白くってこれもまた魅力です。なかなか無いデザインになりました。

鹿の角の底鋲
鹿の角の底鋲

日本初のエコレザー認定

野生の日本鹿が増え、日本各地で鹿害が深刻化しているという状況があります。森の木々の若芽を食べ尽くしてしまったり、人里におりてきて田畑を荒らしてしまうのです。
そこで、昔のように日本鹿の皮革を使った産業を興そうという動きがあります。
渡邊鞄は、日本鹿皮革開発協議会から、エコレザー認定のついた鹿革を仕入れています。安心・安全で上質な国産鹿革は、本当に稀少なのです。

W250mm × H140mm(body) × D110mm
500g
国産鹿革(黒)/ 鹿の角/真田紐/竹/裏地(綿のツイル地、萌黄色)

(最終更新2015/01/09)