日本鹿の革について
日本鹿の革は、古来から日用品や工芸品の素材として使われていました。剣道・弓道用品、印伝などは有名ですね。古くは、鎧・兜・刀の部品や、火事装束・半天、革足袋に使われるなど、「火に強い」という特性もあります。
しかし、現在では、日本鹿の革はほとんど製革されていません。鹿革にまつわる産業が衰退しているのです。日本の鹿革製品の殆どが海外からの輸入された鹿の原皮でつくられています。
僅かに製革されている日本鹿の革は、野生の鹿を狩猟して鞣したものなので、傷が多かったり、厚みにムラがあったりして、バッグにするのは難しいとされています。
でも、この軽さと、ふんわりとした柔らかさ、しなやかに肌に馴染む感触には、何ともいえない魅力があります。
どうにか工夫して、鹿革の良さを生かしたバッグをつくってみたいと考え、できたのが「紗綾鹿」です。